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【おくやみ】播磨靖夫さんを悼む

更新日:10月10日

 一般財団法人たんぽぽの家理事長であり、弊財団の顧問である播磨靖夫さんが、2024年10月3日に82歳の生涯を閉じられました。心からご冥福をお祈りします。 

播磨さんは、障害者の芸術的才能に先駆的に着目され、音楽や美術をはじめ幅広く障害者の芸術活動振興や、障害者の生涯にわたる自立支援に尽くされてきました。 

 パブリックリソース財団発足以前から、久住は1984年のネットワーキング研究会から40年、岸本は1994年の日本ネットワーカーズ会議から30年、播磨さんの薫陶を受けてきました。私たちは、市民活動を探求し、NPOを社会システムとして確立することを目指して、播磨さんとともに活動を共にさせていただきました。 

 播磨さんから受けた教えは萬巻に及びます。社会の周縁にいる人々とともにあること、苦しみを抱えた人の中に希望を見出すこと、孤立すれども孤独を恐れぬこと、洞察力と構想力を磨くこと、教養(リベラルアーツ)を大切にすること・・・そうした基本的視座を据えつつ、常に未来を見通し、進むべき道を示して、私たちを導いてくださいました。播磨さんは哲学者であり、詩人でもありました。「エイブル・アート」という造語によって、障害者芸術を人間性を回復させる「可能性の芸術」へ昇華させ、多くの人に希望をもたらしたように、人間存在の奥底にあるものを見つめ、価値や思想を「ことば」で表現する大切さを教えてくださいました。多様な分野、異なる分野と交わること、境界を超えたところに新しい創造が生まれると常におっしゃっていました。会議や講演はもとよりですが、教導の多くは酒宴での警句であったようにも思います。 

 2000年、NPO法人パブリックリソースセンター創設の際には、意見対立の絶えない久住と岸本の間に故・今田 忠さんを専務理事に据えて組織を安定させる配慮を、理事として提案いただきました。2013年の公益財団法人パブリックリソース財団創設以降も、顧問として教導を続けていただきました。寄付とは何かについて話し、社会の周縁でおきる変化への着目、インクルーシブな社会を創る大切さを語りあいました。播磨さんの言葉を礎に、パブリックリソース財団は「意志ある寄付で社会を変える」をテーマに、市民起点の「あなたの財団」として活動を展開して参りました。 

 パブリックリソースを唱道して、来年には25周年。播磨さんは、その時に何を語って頂けるだろうかと期待していました。今となっては、私たちの胸の中にある播磨さんと語らいながら、自ら答えを掴み取っていかなければなりません。ネットワーキング、NPO、パブリックリソースには、人々を救い、ゆたかにする社会変革のミッションが通底していることを改めてかみしめ、心の中で播磨さんとの対話を続けていきます。 

 私たちの師である播磨靖夫さんの遺志を継承し実現することをお誓いして、私たちの追悼の言葉とさせていただきます。 

 

2024年10月4日 

(一般財団法人たんぽぽの家等の公式表明にあわせて10月8日公表) 

 

公益財団法人パブリックリソース財団 

 代表理事・専務理事 岸本幸子 

 代表理事・理事長  久住 剛 


(左)2000年パブリックリソースセンター設立発起人会 朝日生命大手町ビル

(中)アート&ヘルス基金第1回サロン2013年7月19日 内田洋行

(右)活かしてこそ、薫陶 2023年4月21日 武蔵小杉

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