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【新年のご挨拶】2024年 新たな年に寄せて~技術と意志~

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。


 まず、元日に発生した能登半島地震で命を落とされた方々、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 2022年のウクライナに続いて、2023年はパレスチナでも戦争が起き、再び、戦争の世紀かと暗澹たる思いです。これらの戦争では、ハイテク兵器によって人々の生命が奪われています。多くの子どもを含む民間人の死者は3万人を超え、兵士を含めれば数十万人が殺されています。これは自国のために人間を殺戮する意志によって最新技術が濫用されているのです。20世紀の戦争と同じ愚かな意志によるものです。


 一方、テクノロジーには人の生命を輝かせる力もあります。人工呼吸器などの医療的ケアを常時必要とする、医療的ケア児のシンポジウムが2023年秋に開催された際のことです。ステージに医療的ケア児である高校生が登壇し、「私が今 大切にしたいこと」と題して発表を行いました。発言は、わずかに動かせる指を使って文字を打つ最新技術と、その文章を音声に変換するというハイテクを駆使して行われました。ここでのハイテクは、人の生命を輝かせたいという尊い意志による技術です。ハイテクによって医療的ケア児の人格と意志が表出され、会場とのコミュニケーションが実現した瞬間でした。

 しかも、その高校生の発表には、

「卒業後は介助されるだけの生活ではなく、自分だからできる仕事を探したいと思います。」「できることなら介助されるだけでなく何かできることをしたいと思っています。」(全国医療的ケアラインより提供)

との言葉がありました。他者のためにできることをしたいという利他の意志です。おそらくハイテクがその意志を叶える一助になることでしょう。

 

 どのような技術も、それを使う人間の意志によって、人を生かすことも、殺すこともあります。パブリックリソース財団は「人を生かす意志ある寄付」を大切にしていきます。さまざまな技術も駆使して寄付をしやすくし、寄付文化の醸成に努めていきます。



2024年新春


    公益財団法人パブリックリソース財団

     代表理事・専務理事 岸本 幸子

     代表理事・理事長  久住 剛

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